ぎきょくしぃしょくかい

戯曲試食会  

   gikyokushisyokukai

 

「古今東西、有名無名の戯曲たちと時間をかけて向きあい、

自らのスキルアップを図ると同時に、

お客様に戯曲本来の味わいを楽しんで頂く」

そんな本公演とは違ったアトリエ公演です。

この機会に、是非とも「劇団夢現舎」と「名作戯曲」をお試しあれ。

 

どうぞどなたさまもお入りください。

けっしてご遠慮はありません。

 


劇団夢現舎 戯曲試食会」へのごあんない

 

今回の「戯曲試食会」は、「戯曲探偵入門講座」で取り上げた、岸田國士(きしだくにお)作「紙風船」をご提供致します。

とある夫婦の微妙な日曜日の機微を描いた傑作短編です。

1925年の作品と雖も、寧ろ現代に通じるテーマを有した、繊細ながらも力強い名作です。本人は認めていませんが、日本屈指の劇作家・岸田國士の紛れも無い代表作です。

今回は素材である戯曲はそのまま活かして、ピリリと効いた、韓国風アクセントをトッピング致しました。

恐らくこれまで味わった事の無いであろう岸田國士体験をご賞味下さい。

ふっと、隣にいる大事な人の事を改めて思い返してしまうような作品になればと思います。無料の公演とはいえ、誠心誠意つとめさせて頂きます。

小さな劇場ですので、観劇を希望される場合は劇団までご連絡下さい。

又、上演時間が短いので、開演時刻には遅れないようご注意下さい。

ワクワクで満たされるよう、心はペコペコでお越し下さい。

 

11月29日(金)20時~

11月30日(土)16時~/20時~  出演:小玉陽子/益田喜晴

[新人発表会]

12月1日(日) 19時~  出演:三輪穂奈美/大星響

※開場は開演の15分前です。

 

上記以外にゲリラ上演する可能性もありますので、日程の合わない方も劇団に問合せてみて下さい。

 


大正‐昭和時代の作家、小説家。東京出身。陸軍士官学校卒。

明治23年11月2日生まれ。昭和29年3月5日歿。63歳。

岸田衿子、岸田今日子の父。岸田森の叔父。フランスで近代演劇を研究して帰国。

戯曲は50余篇を数え、「古い玩具」「牛山ホテル」「紙風船」「チロルの秋」「葉桜」等。

小説に「暖流」、訳書にルナール「にんじん」。昭和12年、久保田万太郎らと文学座を結成。

昭和25年、福田恆存、三島由紀夫らと文学の立体化運動をめざして「雲の会」を結成。

彼を顕彰して創設された「岸田國士戯曲賞」は演劇界の芥川賞とも呼ばれる。

 

 


【戯曲】

文学と演劇の一形式。対話体の文(せりふ)を主要部分とし,ト書などの指定を付け加え,おもに舞台上演を目的とするもの。脚本・台本の意にも用いられるが,一般に脚本・台本に比べて文学性が高く,芸術的に独立した性格をもつ。 百科事典マイペディア

【戯曲】

劇の上演のために書かれた脚本。また,その形式で書かれた文学作品。台詞(せりふ)に,人物の動作や舞台効果など,演出に関する注意(ト書き)を加えたもの。日本・外国ともに,その形式が確立したのは近代以後であるが,謡曲,あるいは浄瑠璃の丸本(まるほん)や歌舞伎の台帳などもその一種であるといえる。 〔drama の訳語として広まった語。中村正直訳「西国立志編」(1870~71年)にある〕/三省堂 大辞林

【戯曲 drama】

俳優によって舞台で演じられることを意図して書かれた文学作品。せりふを主体とし,必要に応じて舞台上の動き,しぐさ,装置,音楽,照明などに関する指定 (ト書き) が加わる。戯曲は普通,葛藤とその解決を描く劇的物語を内容としているが,何を劇的ととらえるかによって戯曲の質と形式が決定され,それによって各時代,各社会状況における戯曲の特色が生じてくる。/ブリタニカ国際大百科事典

【文学と〈戯曲〉】
〈戯曲〉という概念は,近代の日本語に固有のものであって,少なくとも西洋にはこの観念はない。ドラマといえば,もちろん演劇そのものをさす言葉であるし,英語の〈play〉も,読む戯曲を示すと同時に,舞台上で演じられる演劇を意味している。ドイツ語の〈テアーターシュトゥックTheaterstück〉,フランス語の〈ピエス・ド・テアートルpièce de théâtre〉は,いずれも文字通り〈演劇作品〉の意であって,それがそのまま文学としての戯曲の意味でも使われている。/世界大百科事典

 

我々、日本人は「戯曲」を難しくしてませんか?

要は、劇作家たちが残した「レシピ」って事で、いいんぢゃないでしょうか?

勿論、そこには時代性、国民性、社会性、資金力等々、再現が困難な事も多々あります。

しかし、そこを乗り越えて、「味」が受け継がれるように、「演劇」も受け継いでいきたい。

愚直に、純粋に「戯曲」と向き合い、出来る限りシンプルに演じます。

ですから余り畏まらず、気軽にお料理をご試食するようにお楽しみ頂ければ思います。

そこから、「面白い」だとか、「つまらない」だとか、だけではない、

演劇の「旨味」のようなものを見つけ出し、味わって頂ければこれ幸いです。

戯曲と云うレシピを紐解く為の、演ずる側と鑑賞する側との共同作業。

それが、「戯曲試食会」のコンセプトです。